ゼロになるからだ

記事タイトルは、歌詞の一部であり
覚さんの第一作品集のタイトルでもあります。

覚さんの紹介をするときに
『千と千尋の神隠し』の『いつも何度でも』の作詞の・・・
と言わなくても
『ゼロになるからだ』・・・
と言えば、大概の方はわかってくださいます。

それだけ、このフレーズの印象が強いということですね。


私ごとですが・・・
義父を看取った朝のことを書いてもいいでしょうか。

私は成人式を祝ったばかりの娘と
病院に泊り込んでいました。
義父の命が、
あと数日であることは覚悟していましたので。
でも、まさか、それが本当に最後の夜になるとは
思っていませんでした。

夜と言うのか、朝と言うのか
どちらとも言えないような時間帯でした。

少し前まで
息をするたびに大きく膨らんでいた義父の胸が
徐々に石のように硬くなり
とうとう膨らまなくなったのです。

まさにゼロになっていく瞬間でした。

「おじいちゃんは、今、耳をすませている・・・」
そう思いました。
娘も同じことを思ったようです。
ずっと、ずっと、祖父を呼び続けていました。

先生が来て、義母と夫が来て、
看護師さんたちがバタバタと動き回って・・・。
それはまるで
映画のワンシーンを見ているように
自分の意思とは無関係に動いていました。

そして臨終・・・。

義母の為にそっと席をはずし、
外の空気を吸いに駐車場に出ました。

人の最後の最後の
最後の瞬間を見つめていた私たち。
生と死の境が わからなくなっていました。

「おじいちゃん、もう少し頑張れば
 この朝焼けが見れたのに・・・。」
娘が涙と共にこぼした言葉で
現実を理解したものの
義父が亡くなったという実感はありませんでした。

私自身の体も宙に浮いているみたい・・・。

生きていることと
死んでいることの境目が
どうしてもわからなかったのです。

どの瞬間まで父が生きていて
どの瞬間に父が死んだのか・・・。


今日、ちょうど一年たちました。
一年たって、今、思っています。

その境目は、
もともと なかったのではないかと・・・。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック